妄想の地図帳
 「ひぐらしのなく頃に」が好きなおっさんが、二次創作やオリジナル物語を書いたりするとかしないとか。
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それぞれの絆 第一節 圭一 
 皆様こんばんわ。
今回は、だいぶつさんの所にオリスクを置かせていただいている「それぞれの絆」のテキスト版をUPしました。
特に追加部分等はありませんので、「スクリプトとか使える環境じゃないんだよー」と言う方以外は、スルーしてやって下さいませ。
全五話で、その一話目です。
時間軸的には前回の「約束」より、遡ります。
各SSの流れは、こちらでご確認下さいませ。

『 それぞれの絆 第一節 「圭一」 』  



 ―― 昭和59年 3月初旬 ――

 夕日を浴びた高積雲が琥珀色の絨毯を空に敷き詰めていた。

 残雪と呼ぶにはまだ早すぎると、その存在を誇示する田園の雪は同じ色に染まり
 さらさらと流れる小川は穏やかで、賑やかに帰宅する俺達3人を静かな音色で包んでくれた。
 その清らかな透明感はまだまだ冬の鋭利さも感じさせる。

「じゃあねー魅ぃちゃーん。また明日ーっ! 圭一君はしっかり荷物運びするんだよっ! だよーっ!」
 集合場所である水車小屋でレナは俺と魅音に今日の別れを告げた。
 花が咲いたような笑顔で手を振るレナも、夕日に照らされて琥珀色に染まっていた。
 レナは何度も振り返り楽しそうに手を振る。
 その度に俺達も元気一杯に応えた。
 三度目からはただ手を振り返すだけなのにも飽きたので、工夫を凝らしてみた。

 立案者は魅音。
 ちょっと前に見た歌番組で、アイドル歌手が振り付けでやっていた人文字で返事を返してやったのだ。
 両手を頭上斜め45度に突き上げて『Y』とか、両手の爪先を頭のてっぺんのつむじに突き刺す様にして『M』の字ってやつだ。
 レナは『M』が相当気に入ったらしく、振り返る度に「お持ち帰り~」の顔で『M』の字を作っていた。
 その姿の可笑しいの何の! 結局俺と魅音は腹を抱えながらレナが見えなくなるまで見送ってしまった。

「や~れやれ! やっぱりレナは楽しいねぇ~。あの子きっと家に帰っても鏡の前で『M!』ってやってるよ? あっははははは!」
「ははははっ! 間違い無いな! よし、じゃあ俺達も帰ろうぜ魅音。あんまりゆっくりしてたら俺がお前ん家から帰る頃には真っ暗になっちまう」
「そうだね、帰ろっか! じゃあしっかり鞄持ち頼むよ圭ちゃ~ん?」
「わあってるよ! くっそーっ。今日はあそこでダイヤの7さえ間違わなきゃ勝ってたはずなのになぁー!」
 
 俺と魅音は今日の熱い勝負談義に花を咲かせながら、賑やかに家路に着いた。
 夕日は俺達を暖かく照らし、後ろに伸びる影も楽しそうに揺れている。
 吐く息はまだ白く、そよ吹く風はひんやりとしてほんのちょっと意地悪だったけど、俺達二人には通用しなかった。

 今日のジジ抜き勝負は本当に惜しかった!
 あそこで梨花ちゃんに情けを掛けなければ……っ。
 ……いや、あそこは梨花ちゃんの萌え落し技術を褒めるべきだよな。
 あれは健全な男子なら回避不能! 回避する事は日本男児としての恥! そう思うに足る萌えっぷりだった!!
 ……恐るべし古手梨花……。

 しかしそれを除いたとしても、2月後半からの俺の部活成績は下がる一方だった……。
 何と言うか、勝負後半の集中力が高まらないのだ。
 勘違いするなよ? 部活自体には今まで以上に、最高に熱く燃え滾(たぎ)っている!!
 『今までで最高の炎が俺の中で燃えているぜええぇえぇっ!』と毎日吼えている言葉通り、日を追う毎に情熱は上昇しているんだ。

 ……そのはずなんだが、部活の終盤になると何故か力が出ない。最後に牙を剥く、いつものパターンが出せないのだ。
 謎のスランプのお陰で、ここ何週間かはビリかブービー(ビリから2番目)ばっかりだ。
 特にこの鞄持ち罰ゲームの時はいっつも俺がビリのような気がするぜ……。
 この罰ゲームと俺って相性悪いのか? まあ軽めの罰ゲームだから良いけどさ。
 ……ん? あれ、まてよそう言えば……

「なあ魅音。ちょっと聞いていいか……?」
「何? どうしたの?」
「ああ、何かさ、鞄持ち罰ゲームの時ってさ、最近必ずお前がトップで俺がビリじゃないか……? 俺の気のせいか?」
「ふ、ふぇっ?! そ、そんな事ないよ! 気のせいだぁってーっ! あっはっはっは!」
 夕焼けのせいで顔色は分からないが、明らかに動揺してるし……。俺は魅音に詰め寄った。
「……お前、さては何か仕込んでやがるな?! 吐け! 一体どんな手を使ってんだ?!」
「なな何にもしてないって! そうじゃなくて最近圭ちゃん負け多過ぎだって! 別に鞄持ちの時だけじゃないじゃん圭ちゃんが罰ゲーム食らってるのって! 圭ちゃんが弱っちいだけ!」
「ぐっ、ぐはっ! そ、それを言われると反論できねえ……。確かに最近の俺、弱……過ぎ」
 
 胸を押さえてよろける俺。それを見て魅音がニヤリと笑う。
 両手の人差しと親指を立てて指拳銃を作り、その二丁拳銃をバンバンバンッ!! と俺に向けて発砲した。
 俺は断末魔を上げながらくるくると回転し、がっくりと膝をつく。
 夕日を背にした魅音が左手を腰に当てて右手の人差し指を唇の前にかざし、フッと銃口から立ち昇る煙を吹いた。
 ……絵になる女だぜ、園崎魅音。 そしてやられ役が似合う俺。とほほほ…。

 --------------------------------------------------------------------------------

 ゆっくりと、ゆっくりと山頂に近づく夕日が綺麗だった。
 俺はできるだけこの時間が長く続くようにと、いつもよりゆっくりと夕日に合わせて歩いていたような気がする。
 ……俺は何をそんなに惜しんでいるんだろう?
 そんなに惜しまなくても、明日もまた今日と同じ楽しい日に決まってる。
 それが突然一夜にして、手の平を反したように失われるなんて事は在り得ない。
 明日も明後日も、一週間後も一ヵ月後も、ずっとずっとこの暖かい時間は続いていく。
 その為の努力なら、俺はどんな事もいとわない。

 正体不明の不安……。そんな嫌な気持ちを振り払いたくて、俺は並んで歩いている魅音に目を向けた。
 魅音の笑顔を確認して、こんな暗い気持ちを切り替えるつもりだった。
 その筈なのに……あれ……。
 魅音が…………居ない……?
 いわれの無い不安が広がっていく。

 慌てて振り返り辺りを見回すと、その不安はすぐに払拭された。
 魅音は道端にしゃがみ込み、除雪された雪を微笑みながら見つめていた。
「……魅音? 何してんだよそんな所にしゃがみ込んで」
「あ、圭ちゃん。ほらほら、こっち来てみなよ」
 側に寄り魅音の後ろから除雪された雪を除きこんでみると、そこには小さな花が咲いていた。
「三角草だよ。……今年も咲いたんだねぇ。春ももうすぐそこって事かぁ」
「みすみ、草……?」
 黄緑色の雌しべを中心にピョンピョンと短く雄しべが生えていて、薄紫色の花びらが1・2…8枚付いている。
 小振りで可愛らしい花だった。
「うん。雪割草の一種でね。この辺りではよく咲いてるんだ。名前の通り雪の残っているころに、雪を割るようにして咲くんだよ」
「ふうん。たいした根性じゃないか。俺、草花って暖かい時にしか咲いたりしないもんだと思ってたよ」
「あははは。男の子は、まあそんなもんだろうね。……あたしさ、この花好きなんだよね」
 へえ、花が好きだなんてお前も可愛らしい所があるもんだな……なんて事を考えていたら、どうやらいつも通り顔に出ていたらしい。具体的に。

「ほ、ほら。この花が咲くって事はさ、もうすぐ春なんだよね! そうすりゃ思いっきり体を使って遊べるじゃん? だから好きなんだよねー!!」
 眉毛を八の字にして取り繕うようにそう言うと、魅音は照れ隠しに笑いながら慌てて立ち上がった。
「おいおい。そんなに慌てなくてもいいぞ。花が好きなくらい別に普通だろ?」
「あ、う…うん。……っていうか別に慌ててないけどね!」
 勝手に慌てている様子が面白くて、ちょっとからかってやろうと思ったけど止めておいた。
「悪い悪い。……そうだよな。お前の言う通り、寒いよりあったかい方が目一杯遊べるもんな。春が待ち遠しいぜ! んでもって校庭で思いっきり部活しようぜ!」
「あ……うん。……そうだね。 ……うんっ! あはははっ。春が楽しみだよーっ!」
「……魅音?」
「でも残念かな残念かな! その頃にはおじさん卒業してさ、花の女子高生になっちゃってるかねー! いっひっひっひ」
「あ…………」

 そうだった。もうすぐ3学期も終わり、雛見沢分校にもささやかな卒業式が訪れる。
 俺にとっては雛見沢で初めての卒業式だ。
 今年の卒業生はたった一人。
 俺の横で寂しそうに……いや、寂しさを一生懸命笑顔で隠そうとしている園崎魅音、一人だけだった。
 いつも対等に勝負し、笑い、怒り、悲しみ、喜んだ仲間が一人で旅立つ日が近づいている事を……俺はすっかり忘れていた。
 ……いや、忘れていたんじゃない。考えない様にしていただけだ。
 仲間が居なくなってしまう事を考えるのが嫌で……寂しくて……。
 でもいくら避けた所で時間は過ぎていく……。確実に別れの時は近づいていた。

 卒業というたった一つの単語が、夕焼けの質さえも変えてしまった。
 琥珀色の太陽は山の峰に差掛かり、その色を緩やかに暗い色に変え始める。
 何の他意も無く、単純に春の部活も楽しみだと思ったから……また楽しく遊ぼうぜ! ……と、そう伝えたかっただけだった。
 悪気はなかったんだ……。本当に俺は単純に――
『それがデリカシーに欠けるって言う事なんじゃないかな? かな?』
 ――何時だったか、同じように「悪気はなかったんだよ」と言った時にレナに言われた言葉が頭に蘇る。
 俺の無神経な一言で、優しくて楽しかった時間を終わらせてしまった事を後悔した……。
 
 後悔に耐え切れず、何でも良いからこの雰囲気を変えたくて俺は口を開いた。
「そ、それにしてもお前ってさ、受験勉強なんかほっとんどせずに進学決めちまったよな」
「……ふっふーん。前にも言ったじゃん? この辺りは都会と違ってさ、受験戦争なんて縁が無いんだって。 高望みしなけりゃ高校まではエスカレーター方式でヒョイヒョイヒョイッとね」
「あ~そうか。そういやそんな事言ってたな」
「そうだよ。だから、将来使う事の無さそうな無駄な勉強なんかに時間を使わず! 若い時にしかできないもっと有意義な事に時間を使わなくちゃいけない! とおじさんは思うわけよ!」
「……凄く大切な事を言っていると思うんだが、どうもお前が言うとただの勉強嫌いにしか聞こえないよな」
「あっちゃ~。やっぱ分かるぅ? いっひっひっひ。 ……って事で一足お先に高校の暖気しておくからさ、圭ちゃんとレナも早く追いついて来なよっ?!」
「ははは。そりゃ楽しみだな! でもよ魅音。レナはともかくとしてだ」

「雛見沢分校一の秀才である俺様は、もっと頭の良い高校に行っちまうかもしれないぜ?」

 ……軽い冗談で言ったつもりだった。
 そりゃそうだろう? 魅音やレナの居ない高校に俺が行く訳無いじゃないか。
 俺は雛見沢に引っ越して来て、勉強よりも大切な物が沢山ある事に気付かされた。
 さっき魅音が言っていた通りだ。
 だからこんな言葉には一片の本気も含まれちゃいない。言い換えれば全部嘘の言葉だ。

 魅音が何か憎まれ口の一つでも叩いてくれたら、売り言葉に買い言葉で「嘘に決まってんだろ!」って軽く返すだけのつもりだったのに……。
 魅音はびっくりした様な顔で俺を見つめたまま、何も言わなかった。
 ?……ま、まてよ魅音。俺はそんな深い意味で言った訳じゃないんだぞ??
 ……そんな顔……するな……よ。な…………何か…………言ってくれよ……?
「……っみ、魅お」
「あ、あはははっ! ま、まあそりゃそうだよねー! 圭ちゃんはあたしらの先生やったりする位だもんねえ。そりゃ確かにエスカレーターで行ける学校なんかじゃもったいないよねぇ……」
「……お……おい待てよ魅音。俺は別にそんな」
「あ、あぁ! そうだったそうだった!! 今日お母さんと輿宮で会う約束してたんだ! ゴメン圭ちゃん。鞄ここまでで良いやゴメンね! それじゃまた明日ね!」
 言い終わるが速いか俺の手から自分の鞄をひったくると、魅音は逃げ去るようにして駆け出した。

「まっ?! 待てよ魅音! 魅音!!」
 俺は空になった右手を突き出し、魅音の後を追って走り出した。
 だけど魅音は後ろを振り向こうともせず全速力で駆け続ける。
 縮まる気配は無く、むしろ徐々に離れていってしまう二人の距離。
 速度の落ちない魅音の背中に明確な拒絶を感じ、俺の足は駆け足から早歩きに変り……程無くその場に立ち尽くした。

 そして肩を落として俯き、右手で顔を覆った。
 闇に取り込まれ同化しつつある己の影を眺めながら俺は
「まぁた…………やっちまった……」
 そう呟くしかなかった。
 ……自分の思いやりの無さに、思わず溜息が漏れた。
 既に太陽は山の峰に隠れ、温かで穏やかだった琥珀色の世界は夕闇の逢魔が刻を迎えていた。

 --------------------------------------------------------------------------------

「……と、まあ……そう言う訳でさ……俺、やっぱりまた……やっちまってるよな……?」
『うん、やってる…………。圭一君……ホントに気付かずにやってるんだよね? わざとだったらかなり怒るよ?』
 部屋の壁掛け時計は夜の七時を回っていた。という事はかれこれ30分以上、レナと長電話をしているって事か。
「わざと何てやってねえよ……。ただ、その……ちょっとした冗談のつもりで」
 そこまで言うと、レナが受話器の向こうで大きく『はぁ…』と溜息をついた。
 それを聞いて、俺は相談している立場も忘れてちょっとムッとした。

「な、なんだよ……お、俺だって悪気があってやった訳じゃないんだぜ? 魅音だってそんなに本気にしなくても良いと思わないか?」
『圭一君の場合はね、悪気があった方がまだマシだと思う』
「……? ど、どういうことだよ?」
『悪いと思ってやった事はね、気付きさえすれば、悪い事をした……って真剣に反省する事ができるでしょ? でもね、悪いと思わずにやった事はね、反省できないの』
「う……そ、そんな事ねえよ。今だって俺は、あいつに悪い事して怒らせちまったなって反省してるから……どうすれば良いかお前に相談してるんじゃないか」
『……じゃあ聞くよ? 圭一君は何が悪かったのか分かってる? なんで魅ぃちゃんが悲しい思いをしてしまったのか、原因が分かってる?』
「そ、それは……俺が違う学校に行く――なんてつまらない冗談を言ってしまって、あいつの期待を裏切ってしまったから……」
『ほら、やっぱり分かってないよ。それは圭一君がさっきやった行動の事でしょ? それが何で悪い事なのか、説明できる?』
 レナの言っている事がよく分からない。俺の取った行動が悪い事なんじゃないのかよ?
 悪い事を言った。だからそれが悪い事なんじゃないのかよ?

『……ごめんね。ちょっと言い方がきつくなっちゃった』
「い、いや別にいいよ。……分からない俺が悪いんだし……」
『……じゃあさ、圭一君。何で悪かったのかは置いておいて、どうすれば良いかを考えよ?』
「そりゃ、もちろん謝るよ魅音に。無神経な事言って悪かった……ってさ」
『うーん、ならそれはいつ? 圭一君は今誰とお話してるのかな? かな?』

 ……そうレナに言われて、俺はハッとした。
 相談の電話をしたのは答えを知りたかったからじゃなく、ただ自己嫌悪でモヤモヤとした気持ちに耐えられ無かったからかも知れない。
 レナに相談するまでも無く、俺は明日魅音に謝るつもりだった。

 明日の朝、いつもの水車小屋にいつも通り少し遅れてきた魅音に俺は言うんだ。
「魅音あのさ、昨日は何だか悪かったな。無神経な事言ってさ。……すまん。俺、お前達が居ない学校に何て行く気は無いからな!」
 って言うんだ。そしたらさ、あいつはきっとこんな事言うんだよ。カラカラと何も無かったように笑いながらさ。

「ほぇ? あぁ、気にしてないってぇー。圭ちゃんがおじさんの支え無しに生きて行ける訳無いじゃ~ん!」
 とかってな……。
 
 今夜一晩中考え抜いた、一番相手を傷つけない言葉を言うんだ……自分の事は棚に上げて。

 何気ない言葉に、俺が思ってもいない位へこんで、寂しい気持ちを感じてるかもしれない。
 それを、今晩だけで終わりにしようって……明日は元気な魅音になろうって……多分何回も言い聞かせるんだ。
 明日の朝、俺の謝罪に対して言う、何の変哲も無い言葉を、何回も何回も、練習するんだ。
 ……多分……あいつは、そういう奴だ。
 そして俺は……無意識にそれを期待していたんだ。
 だからあの時足を止めた。追いかけて謝らなかった。
 ……全然、悪い事したなんて思ってないじゃないか。

「…………すまんレナ。――どうやら電話番号……間違えたみたいだ」
『……あっはは。そうだと思った。――じゃあ、もう切るね? ちゃんと、掛け直すんだよ? だよ?』
「ああ――いや、電話は止めだ。俺、行ってくるよあいつの所。……有難うな、レナ」
『……うぅん。じゃあ行ってらっしゃいだね。圭一君』
「おう。じゃあ、また明日な」

 --------------------------------------------------------------------------------

 圭一君が電話を切ってからも、私は受話器を耳に当てたまま椅子に座って、見るとも無く玄関を眺め続けていた。
 受話器から漏れる『ツーー』と言う発信音が、ポッカリと空いた心の穴を潜り抜けていく。

「……本当に……掛ける所、間違えてるんだから…………」
 いつの間にか発信音は断続的なツー、ツー、と言う音に変っていた。

「レナ、電話は終わったのかい? もうお風呂が沸いたよ?」
 何気なく眺めていた玄関がジワリと歪んで来た時、リビングからお父さんの声が聞こえた。
 そこでやっと、電話が終わったら受話器を置かなくちゃいけない事を思い出して耳から受話器を放した。
 受話器が凄く重たかったから、両手で受話器を置いてからお父さんに返事をした。

「うん。 今ね、終わったよぉ」



 ― 続く ―
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

この記事に対するコメント

おお、テキスト版っすか。懐かしい。
いやあ、実を言うとこれでコンボイさんの大ファンになりましたw

機会があったらまたスクリプトとか作りたいねー。
できたら選択肢とかも入れて遊べるようなの作ってみたいねぇw
シナリオがないけどw

そんじゃまた~(゚∀゚)ノシ

P.S
リンクのとこの私のサイトの名前、暇なときにでも「だいぶつや」に変えておいてくだせぇw
ではでは~
【2008/04/03 00:19】 URL | だいぶつ #gIYQI5Sw [ 編集]

実は・・・
cvwith様の『それぞれの絆』、雛物のお勧めSSとして
登録させていただいております。よろしければご確認ください。

【2008/04/04 22:09】 URL | KK23 #- [ 編集]


>だいぶつさん
そうだったんだ~。ありがとう!
僕自身も、「これを書いてて色々勉強になったんだよなあ」 と思い出しながらブログにアップしました。
とても思い出深いSSっす。

>KK23さん
うわー、ありがとう御座います!
何だか恥ずかしいですが、嬉しいです!
気に入って頂いて嬉しいです。これから絆をアップしていくわけですが、
その間にも他の物をアップしたりするので、よかったらまた遊びに来て下さいね。
【2008/04/05 03:27】 URL | cvwith #- [ 編集]


>だいぶつさん
書き損ねた!w
選択肢のあるSSならついこの間書きましたよ?ww
16禁くらいで作ってよだいぶつさん!w
もちろんイベントCGつきでよろしく!www
【2008/04/05 03:30】 URL | cvwith #- [ 編集]


>選択肢のあるSSならついこの間書きましたよ?ww
「約束」のスクリプト化?w
う~ん、でもあれ魅音が「寝てしまう」か「起きたまま」くらいしか選択肢ないじゃんw
できれば、圭一(プレイヤー)の意思が働く選択肢を導入したいねぇw
圭一が「我慢しない」とかw
「詩音を無視して玄関を開けない」とかw
その辺のストーリー書いてくれたら喜んで作るけどww

言い遅れたけど3000Hitおめでとう!
【2008/04/05 11:31】 URL | だいぶつ #gIYQI5Sw [ 編集]


>だいぶつさん
おめでとうをありがとう!
そうか、選択肢が足りないか!www
玄関を開けない選択肢は、作るとあれです。
頻繁に顔を合わせる友人もここを覗いているので、個人的にツライwww
でもスクリプト化は魅力だな~~とか思ってみたり。
まあそれはそれとして、またチャットで雑談しましょうね!w
【2008/04/07 06:20】 URL | cvwith #- [ 編集]


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cvwith

Author:cvwith
岡山に生息。
カレーは混ぜてから食べる派です。
「ひぐらしのなく頃に」の二次創作を中心に、ショートストーリー(SS)を書いています。
「うみねこ」もちらほらとやってます。
いずれオリジナルも書いてみたいと野望を持っております。

メアド : kdksf1@mail.goo.ne.jp
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感想・ご意見・イラストなど随時激烈に大歓迎中です!



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